『環境炉シリーズ もみ殻処理炉』は、産業廃棄物である「もみ殻」を、高度なコントロール技術で熱処理し、有害物質を排出せず有益な非晶質の可溶性シリカを含む「もみ殻灰」を製造する設備です。
もみ殻には約20%のシリカ(SiO2 ケイ酸)が含まれますが、通常の処理温度(1,000℃)ではシリカは結晶化し水に溶けません。このため、シリカは稲の生育に必要なものにもかかわらず燃焼後の灰を水田に戻しても稲が吸収できず、結局もみ殻やもみ殻灰は廃棄物になっていました。
NSICでは「もみ殻循環プロジェクトチーム」の一員として、もみ殻を熱処理し、エネルギー化と灰をシリカとして資材化する取り組みを行ってきました。もみ殻に含まれるシリカの活用には非晶質で可溶性であることが不可欠です。
これら課題に対しプロジェクトチームは、炉内コントロールによりエネルギーと高純度非晶質もみ殻シリカ灰の生産についての技術を新たに確立しました。これにより、農業分野・工業分野・食品添加物等、用途に応じて「もみ殻シリカ灰(ボタニカルシリカ)」を製造することが可能になりました。定温安定燃焼技術だけで生産できることから、安価にシリカを抽出できます。もみ殻由来の結晶化していないシリカのため安全です。
炉内温度、もみ殻の投入量、空気量、もみ殻熱処理時間等の各種条件設定を非晶質シリカを生産するためにロードバランス(負荷分散)させる技術です。
シリカ(SiO2 ケイ酸)は、人の体にも存在し、血管・毛髪などに含まれるウエイトの大きなミネラルとしても知られています。11
もみ殻シリカは原材料もみ殻のみの結晶化していない国産植物由来のシリカですので「ボタニカルシリカ」とも呼ばれ、幅広い活用方法を見出しています。
非晶質 | ピークなし 分析方法:X線回析 |
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可溶性 | 60%以上 分析方法:フッ素カリウム法 |
高活性 | 2.0〜3.0 分析方法:Luxan法 |
固定炭素 | 15%以下 分析方法:質量算定 |
もみ殻シリカ灰の成分表
その他成分:K2O、CaO、MgO等
型 式 | 処理能力 (連続) | 概算寸法 (炉体+保持室) | 温水ボイラー 交換熱量 |
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MTP-200 | 120kg / hr | 6,500L×2,800W×5,500H | Approx. 142kW |
MTP-100 | 80kg / hr | 5,900L×2,100W×5,100H | - |